牛歩の歩みですが、妖怪絵を描いてます。私なりの妖怪考ですが、どうぞ楽しんで下さいね。
「麒麟(きりん)」
麒麟(きりん)は、龍の鱗と鹿の角を持ち、心優しい神獣のような妖です。
東西南北を司る四神(しじん)の青龍、朱雀、白虎、玄武の中央に位置します。
属性は土です。
殺生を嫌うので枯れた草しか食べないそうです。
平和で幸せな世に現れる、とても縁起の良い妖です。
コミティアの展示用に描いた麒麟のイラスト。一緒に居るのはみおの実のむっちゃんです。
大化(おっか)
天狗の真白の頭の上に乗ってる一つ目の妖怪が、大化(おっか)です。
大化は、昔の絵巻物「百鬼夜行絵巻」等に姿は描かれていますが、どんな妖か よく分かってない妖怪です。
何かの妖怪の子供だという説もあります。
肌色のモノと赤い肌のモノとがいます。どちらも一つ目なところは同じですが、
肌色のは一本足で、赤いのは鋭い爪のある2本足を持っています。
木霊(こだま)
木霊とは、樹の精霊。
年を経た巨木や、人間が食べたり使ったりする実をつける樹が
木霊になりやすいそうです。
木霊のほとんどが喋りません。その分、切ったりすると
恨みも呪いも大きく、ちょっと怖い妖怪です。
(ほら、よく大きな木を切ろうとすると事故があったりとかね)
「みおの実」の中では無表情であまり喋らない繭玉だけど、
木霊では珍しく、明るくてお喋りな方。
木霊の中ではギャル(?)って感じ。
2009.4.8 つやつやみお
瀬戸大将(せとたいしょう)
琴古主や文車妖妃、鳴釜など、100年経った品物が妖怪になったものを付喪神と言います。
その中でも私が一番好きなのは、瀬戸大将!!頭がとっくりで、体は大皿。背中に急須を背負ってる…って感じの妖です。(私が描いたのは体が急須で、小皿がペンダントだけどね。)
もともとお皿やコップににっこりした顔がプリントされてるのが大好きで、集めてたりするし…。瀬戸大将なんて、とっくりに顔が付いてるだけでなくて、動くのよ〜。
あ〜ん可愛い!!
瀬戸大将は、瀬戸物の付喪神です。全身が瀬戸物のお侍さん(…のつもり)。対するは唐津物と焼き物合戦をするんだけど、瀬戸大将の方が断然有名だよね。
っていうか、唐津物の大将ってどんなんなんだろ。二人並べて窓辺に飾ったら…は〜。至福だろうな〜。
今回妖と一緒に描いたキャラはセイメイさんです。 お酒は瀬戸大将の頭からきっと出てくるんでしょう。 着物で片膝を立ててる…なんて構図、特に裾の辺りのしわがまったく想像つかなくて、今回ひいおじいちゃんの男物の着物を出してきて着てみました。(本当は要さんに着てもらいたかったけど、昔の人の着物は丈が短くて。女の私が着ても短いくらいなんだもん。)
その甲斐あってか、ちょっとはリアルな着物姿になったかな…って思います。やっぱり見て描くのは大事だわ。
それはそうと、ひいおじいちゃんの着物を引っ張り出すために実家の蔵に上がってみたら…なんか分からない古い品々がいっぱいで。 うわ〜っ。付喪神いそう〜!!!!!
私が見てるから今は動かないけど、夜こっそり覗いたら宴会とかしてたら良いなぁ…なんてしばらく夢想してました。 2009.2.19つやつやみお
方相氏(ほうそうし)です!
節分と言えば、方相氏(ほうそうし)!!
四つ目で角があり、右手には物騒な剣を持っている…。
そんな姿から鬼とよく間違えられますが、実は神様なのです。
旧正月(節分)に、病気や不幸の象徴とされる「鬼」を退治にやってきます。
四つの目は四方八方を見るため。どこに潜んだ鬼も逃さない!日本のエクソシスト的な妖さまです。
平安神宮などでも節分に儀式が行われたりしてますよ。
節分の日限定とか、神様なのにすごくサドっぽそうな所とか、なにかと私のツボに入ってしまうお気に入りの妖さまなのでした〜。
ところで。 久々の妖怪絵、苦労しました〜。
いつものほのぼのみお節とは遠いちょっと怖い絵なので、錆を半泣きに、色鬼ちゃんを心配そうな表情に…とベールをかけて描こうとしたのに…。
どう描いても、色鬼ちゃんはマジ泣きになるし、方相氏に捕まってる錆(青鬼)の表情は真剣になるし…。
そのせいか方相氏が怖い悪者になりすぎてしまい、とても困りました。
何度描いてもそうなるので、鬼って本当に方相氏が怖いんだわ…。と開き直って、そのまま仕上げてしまいました。
ちょっと怖すぎる方相氏さんだけど、まあ一年に一度のことだしね。
あ、ちなみに黒くて丸っこい飛んでる子鬼は、「病鬼(びょうき)」です。触ると病を得ます。集団でもやもやと固まると「疫鬼(えき)」になって、悪気はないけど、疫病を流行らせ人間を沢山屠ります。
でも、本当は日本の妖怪にそんなのいないんですけどね。うそつ鬼や色鬼ちゃんと同じ、みおオリジナル妖です。
それにしても。
この後、錆はどうなるんでしょうね〜。
本当はもう一枚、セイメイさんが錆の手当をしている絵をつけたかったんだけど、〆切に追われてて描けませんでした。
錆、手当てできなかったわ〜。ごめん〜。来年描くね。
2009.2.3 つやつやみお
天狗では珍しい女天狗、太郎ちゃんです。むーーーかしの文献には女の天狗も数例あったようですが、大天狗のほとんどが男です。私の描いてる天狗群団の中でも紅一点。
ちなみに、金剛が惚れている相手です。お酒の入った瓢箪は、金剛にもらったもの。 2008.12.7 (byつやつやみお)
獏(バク)です。悪い夢を食べてくれる獏。
鼻は象、目はサイ。熊の胴体に虎の手足、牛のしっぽを持つ妖です。
獏の絵を枕の下に入れて寝たら、悪い夢を食べてくれるそうですよ。
あ、でも良い夢は食べずに残してくれるの。優しいね。
色鬼ちゃんを上に乗せてみました。
絵を枕の下に入れるだけでもいいんだから、獏の上に乗って寝たりしたらどんな夢が見られるんでしょうね〜。
2008.11.27 つやつやみお
「たんたんころりん」
秋も更けてきたし、そう言えば柿の妖怪がいたなぁ…。ころころした柿の妖怪…。
まん丸でオレンジ色の顔ににっこりした目鼻…。可愛い〜。
ごろごろと3〜4個むっちゃんに持たせて描こうかな…。
…なんて、最初は妄想してました。
でも…この妖怪!こんな可愛い名前なのに……。
たんたんころりんは古い柿の木が化けた入道風の木霊。
柿の実を取らずに放っておいたら、たんたんころりんになるそうで、
柿の様な赤い顔の大入道が街などに出てきて、
袂や懐にいっぱい
入れた柿をまき散らしながら練り歩く…。というだけのもの。
でもでも…ね!こんな恐怖〜な伝説も…。
それはね〜。
ある下働きの女の人が、その家に生えてる柿が食べたくてしょうがないのね。
毎晩食べたいなぁって思いながら眠っていたら、ある夜柿のような赤い顔の大入道が枕元にやってきて…。
「俺の尻を串でほじっくて舐めろ」なんて言うのよ。
ひ〜っ!って思いながらも、怖いからそうするのね。 そしたら甘い柿の味がして良かった良かった。ってなるんだけど…。
え〜ん。怖いよ〜。たんたんころりん〜。
何でおしりじゃないとダメなの?なんで串なんかで…!?
ひ〜っ。その女の人は本当に良かった良かったなの〜!!?
い…いろいろショックだった恐ろしい妖怪ですが、
やっぱりたんたんころりんって名前が可愛いので、
まあ良いかな。って思います。
2008.11.8 つやつやみお
「天井下がり」です。
天井下がり…。天井の節穴からにょろーんって出てきて、寝てる人の顔とかを舐めて驚かす、女の妖怪です。
天井裏って死体を隠す場所や、女の人を監禁したりした「負」の場所なんですって。その負の怨念が固まって妖になったって言われてます。
…それにしては、驚かすだけなんて、優しい妖怪ですよね。
よく美人ではない…って描かれてるけど、昔の時代の不美人だから、今では美人かもしれませんね〜。舐められても嬉しいかも。
(セイメイさんはうなされてますが。…にしても、何でいつも裸で寝てるんだろう…この人。)
2008.10.27 つやつやみお
「いそがし」
私は常に動いています。ちょっとした時間でも、働いてないのがすごくもったいなくて。 子供の頃からこんな風。夏休みの宿題はもらったらすぐに初めて、7月中にはほとんど終わってないと落ち着かない…。漫画は〆切の2週間ほど前には完成させたい。一度なんて、コミケの申込、フライングして落選したことも…。 なんてせわしない…。 時々「いそがし」が憑いてるんじゃないかと思う。
いそがし…。妖怪なんですよ。
顔が犬みたいで体は人。着物を着ていて、取り憑かれると忙しくて忙しくてせわしなくなる。じっとしていると罪悪感にさいなまれ、あくせくしていると妙に安心する。まさに私。
でも。 ごめんなさい。周りの人。見てるとせわしないでしょう? 「いそがし憑き」そんな風に見えないよう、焦らず騒がず。 できるだけゆったり、余裕綽々な姿でいたいです。2008.7.23 つやつやみお
2008.4.6
↑そうさく畑(オリジナル同人誌のイベント)のイラストコンテストに描いた天狗。森下要とつやつやみおの合作です〜。
人間に化けて暮らしている妖怪についてのみおち考
昔はそのままの姿で当たり前のように暮らしていた妖怪ですが、最近は人間も多いし、電灯も明々とついているし…妖怪には暮らしにくい世の中になっていると思います。
妖怪ってみんながその存在を忘れてしまった時には消えていくと思いますが、人がまだ存在を覚えている妖怪はこの暮らしにくい世の中、きっと人間に化けて、交じって暮らしているのではないかと思います。(マイナーな妖怪は絶滅していくけど、天狗やカッパなどは人類がいる限り残ると思います)
でも、人間に化けて暮らすって事は、妖怪にとっては結構気が抜けなくてストレスがたまるんじゃないかなぁ。例えるなら、普段ラフな格好で暮らしている人が着物を着た時、自然と背筋を伸ばしたり、歩く姿に気を遣っているようなもんではないでしょうか。何かに興奮したり怒ったりして、人間に化けていることを忘れてしまうと、ついつい本性の姿がかいま出てしまうのではないでしょうか…。
本来の姿に近い形に化けているものは、四つ足妖怪が人間に化けるのよりは楽なのではないかと思います。それでも、やっぱり気が抜けないので、たまには自然に帰って羽を伸ばさないとやっていけないのではないのかな…。
また食事なんかも、山で暮らしてる天狗などは酒くらいしか飲まないだろうし、カッパはキュウリ、垢ナメはお風呂の水垢とかくらいしか食べないと思うんだけど、人間に混じって暮らしていくとどんどんオムライスやスパゲッティーなんかも食べたり、排泄したりして人間っぽくなるんではないか…なんて考えています。だから人喰いの錆は、セイメイさんと一緒にいると豚肉とか食べたいんだけど、鬼ヶ島とかにいると人が食べたい…とかね。
なんて、そんなことを常々考えている私でした。 byつやつやみお
同人誌は各種イベント、またはかなめみおShopで販売しています。
(送料無料です)
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